Vapor Trail

明るく楽しく元気よく

『 イオンを創った男』を読んだ

小売って規模の経済でたくさん仕入れするほど安く買うことができて企業規模が大きいほど有利なはずなので、どうやってダイエーに勝ったのかなと疑問に思って読んでみた。

上げに儲けるな、下げに儲けよ

実体経済とかけ離れて高騰していく株式や土地を見て、岡田は直感的に「これは上げだ」と思ったという。そして、「平成バブルのときに私達は何もやらなかった」と言うほど、本業のみに集中し、それを広げることを一切しなかった。

結局、イオンはバブル景気でも浮かれずに本業に専念してたが、ダイエー不良債権問題で勝手に自滅したっぽい。企業規模が大きくなると間接人員が増えて非効率になるなどの規模の不経済の問題もあるが、間接人員の増加や本社を立派にすることなどを嫌ったという。

地方の小売屋でしたから、労務管理や人事管理、マネジメントについて猛勉強しなければなりませんでした。つまり、町の小売屋から専門技術をもる経営者への脱皮だったのです。


小売業の近代化を阻んでいたのは「労働集約産業」であったからで、そこから脱皮して「知識集約産業」への転換しかそれを成し遂げることはできないという認識を持ち得たのである。

良き人材を得ること、アメリカ視察を経て「チェーンストア構想」を練った。先見の明がすごい。

シャッター商店街と「大黒柱に車をつけよ」

人の動きは変わる、街は変わるということ。そして、立地創造に対応する所有と使用の分離・未分離、店と居宅の分離・未分離である。 街の商店街が寂れる原因は、人の動き、街の動きを捉えることができなかったからであり、さらにその根本原因は、多くの商店は一階が商店で二階が住居という店と居宅の分離ができていないところにある。

「大黒柱に車をつけよ」は社会の変化に適応することだと理解した。

再現性

「経験だけでは本当のチカラはつかない。具体的な経験とそこから得られた抽象的な概念が必要である。概念化させた経験は他の職務に就いても再現できる。再現性はプロとアマの決定的な違いである。」

岡田屋→ジャスコ→イオンとここまで大きくなれたのは再現性を出せるような仕組みを作れたからだろう。