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『星野リゾートの教科書』を自分に当てはめて読んだ

本書は企業経営の話だが、個人的に転職を考えている自分にとって個人の転職市場での戦略を考える上で役立つと感じた。企業ではなく個人に当てはめて考えたことをまとめる。

なぜ教科書を読むのか

教科書はビジネススクールで数多の企業を研究し法則化され体系的に理論化された科学いわば定石が書かれている。
経営判断の根拠や基準となる理論があれば行動のブレも少なくなる。
企業経営は経営者個人の資質に基づく「アート」の部分と論理に基づく「サイエンス」の部分がある。
アートはいわゆるカリスマ経営者のような直感的なやり方。
サイエンスを基にすることで自分の下した決断に自身が持てるようになり社員に対して判断の理由を明快に説明できる。

教科書の選び方

自分の会社が置かれている状況や自分の悩みに対するフィット感があれば教科書として役立つ。
ピンとこない場合は本がテーマとして扱っている課題が自社の課題と合致しないとき。

読み方

読むべき本が決まったら理解できるまで何度でも読む

「自社にどのように当てはめれば良いのか」「どこを変える必要があるのか」と考えながら読む。
自社の具体的な悩みを考えながら読んでいると、頭の中が次第に整理されていき、やがて打つべき対策が見えてくる。
読みながらそこにアイデアを書き、教科書から離れるときには、本に書かれた自分のアイデアをパソコンで一気に書き込んでいく。

つまみ食いしないで忠実に実践する

教科書通りの戦略を実行してもなかなか成果が出ないときもある。
そういうときは教科書の戦略を1つずつ確認しなぜ成果が出ないのかしっかり考える。

感想

  • 転職について考えたこと
    自分は凡人なので新卒で有名企業に入るような人のキャリアは参考にならない。
    また有名企業での職務経験もないため自分のスキルを客観的に評価されにくい。
    そのため戦略的に転職活動を進める必要がある。

  • 教科書の読み方について
    以前から技術書を読むことについて「技術書を読むこと」と「読んで理解すること」と「読んで理解して実践してみること」の2つ間には大きな隔たりがあると思っていて、1回通読しても表面的にわかった気になっているだけで何回も読んで自分のモノにすることが大事。
    参考:https://note.com/erukiti/n/nfe26d674842a

競争の戦略

これといった特徴がない企業の戦略について。

狙いを絞る

ターゲットを絞ることで運営が効率化されコストも下がる。
競合の動向を見極め競争から抜け出す戦略を取る必要がある。

ライバルとの競争で取るべき戦略

  • コストリーダーシップ コスト競争力で優位に経つ
  • 差別化 競争相手との違いを全面に出す
  • 集中 特定の領域に自社の経営資源を集める

感想

転職市場での自分の競争戦略を考えたときに、コストで競争して自分を安売りしても不幸にしかならないのでそもそも「コストリーダーシップ」は論外。となると「差別化」と「集中」しかない。知名度が高いエンジニアの人を見ると特定のスキルに「集中」して、かつアウトプットして「差別化」するっていう戦略に当てはまっている人が多い気がする。
前々から気付いてはいたが「これなら他の人に負けない」という自分の得意なスキル、ここで言われているターゲットを絞る必要があるなと感じる。時間が経っても陳腐化しない自分のベースとなるスキルを身に着けたいが、結局「コレだ!」と思うものは見つけられないでいる。
流行に流されてVue.jsに手を出してみたりReactに手を出してみたり色々素振りをしているが、個人でちょこっとやってみました程度じゃ日々業務で使ってる人に及ばないので、大したアピールにならないという問題。
しかも1万人にも満たない規模のアプリしか作ったことがない地方で働く自分が技術力で勝負するのはキツイなとも感じる。

コモディティ化した市場で勝つ

コモディティ化=サービスや製品の品質による差別化が難しくなること。
サービス水準が上がってきたため一流ホテルとの大きな違いがなくなってきた。

製品やサービスの質に差がなくなったとき、お客様は買いやすい会社、手間をかけずに安全に早くほしいものが手に入る会社を選ぶ。アクセスを高めることで他社に差をつけて勝つ。

アクセスを高める3段階

  1. スピーディに買うことができるサービス・情報を提供する。
  2. ボタン1つで買えるなど使い勝手よくアクセスできるようにする。
  3. 「今こういうものを買ってはいかがですか」など提案をする。

星野リゾートの情報システムについてはこのスライドが詳しい。
https://www.slideshare.net/ssuser91c7c7/devops-176765846

感想

大したスキルも経験もないので転職市場で埋もれてしまっていてコモディティ化してしまっているなと読みながら感じた。
結局、自分のことを知れる情報をアウトプットしておいて、少しずつ差別化していく多くの人の目に留まりやすくしておくことが得策なのかなと感じた。

全然関係ないがウメハラが言ってたうまいラーメン屋の見分け方の話を思い出した。
「外観がきれいな店はラーメンがうまい。見た目に気を使えないような店がラーメンの味に気を使えるわけがないじゃん。ただ最近はどのラーメン屋も見た目がちゃんとしてるから見分けがつかない。」と言っていたことを思い出して、コモディティ化なるほどなと思った。

サービスの100%保証システム

製造業では一般的な保証がサービス業には殆ど無い。
機械よりも不確かな人間が提供するサービスこそ保証が重要という考え方。
サービスが約束通りに提供されることを保証するサービス保証が有効なときはサービス内容が不確かなとき。すでにサービス内容に定評があるときはサービス保証は機能しない。

感想

就職したときにある約3~6ヶ月間の試用期間はサービス保証システムそのものだなと思う。